湘南乃風〈純恋歌〉の『おいしいパスタ作ったお前』とは何パスタだったのか考察する

大親友の彼女の連れ おいしいパスタ作ったお前

 家庭的な女がタイプの俺 一目惚れ

 大貧民負けてマジ切れ それ見て笑って楽しいねって

 優しい笑顔にまた癒されて ベタ惚れ        湘南乃風「純恋歌」より抜粋』

きょうの目次

 1. 純恋歌とは?

 2. 登場人物紹介

 3. ツレは誰の家でパスタを作ったか?

 4. 家庭的なのはパスタではなく料理姿を指す

 5. 大親友の彼女の家で作った場合

 6. 大親友の家で作った場合

 7. 俺の家で作った場合

 8. 最後に


1. 純恋歌とは?

男性レゲエグループ「湘南乃風」が2006年にリリースした楽曲。不器用でヤンチャな男の想いを綴ったストレートな歌詞は、若者たちの支持を集めました。

なぜ今ごろになって純恋歌の話をするのか?というのも先日、立ち寄ったお店の店内BGMがこの歌だったんですね。

リリース当時、中学生の僕は「なんか流行しているなあ」ぐらいにしか把握していなかったのですが、改めて聞くと不可解な歌詞が目につきます。それが冒頭の

 “大親友の彼女の連れ おいしいパスタ作ったお前

  家庭的な女がタイプの俺 一目惚れ”

さて一体なにパスタなのか?検索したところありましたよ、公式PVがYouTubeに。


クッキー…

クッキー!!パスタですらない

歌詞への似せ方がカラオケの映像背景レベル…

他にもいくつかの考察サイトを拝見したところ(僕以外にも暇な人がいたものだ…)

 ・大親友の彼女のツレが、俺の家でパスタを作った

 ・家庭的なのは料理をする姿ではなく作ったパスタの種類

なぜかこの2点を前提に書かれているのですが、いささか安直ではないでしょうか。

登場人物の関係性を整理すればおのずと答えが見えてきそうです。


 2. 登場人物紹介

登場人物は4人出てきます。

 大親友

 →  主人公カップル温かく見守り勢

 大親友の彼女

 →  女紹介してくれる女

 大親友の彼女のツレ

 → おいしいパスタの作り手、大富豪の敗者を笑顔で煽る

 

 → 料理できない、パチンコ大好き、ツレを怒鳴る、パチの景品で謝罪

こうして見ると「俺」はどうしようもないですね。まあ、異性の好みは人それぞれですから何も言うまい。

では状況を整理しましょう。何のパスタを作ったのかを考えるには、“誰の家で”“どんな食材”を用いたか考えねばなりません。

↑ ↑ ↑
需要があるかもしれないので作っておきました。必要があれば使ってください。


3. ツレは誰の家でパスタを作ったか?

 「大親友の彼女のツレは、俺の家でパスタを作った」への反論です。

そもそも歌詞の中でパスタを作った場所なんて明確に言及されていません。ここで分かるのは

“一目ぼれ”

 →“マジ切れ”と韻を踏んでいる。初対面であることの言い換え。俺とツレは初対面であることが分かる。

“大貧民”

→“大親友”と韻を踏みたいので大富豪ではなく大貧民と表現。トランプをするなら宅飲みの時と相場は決まっているため、誰かの家でパスタを作ったことが分かる。

考えてみて下さい。ツレにとって俺とは、友達の彼氏の友達…いわば赤の他人の男、圧倒的アウェイです。

普通はそんな男の家に上がらないし、自宅にも招かないでしょう。

ならば「大親友の家」か「大親友の彼女の家」のどちらかですが「大親友の家」の場合、料理担当は大親友の彼女になるのは必至。

よって、消去法的に「大親友の彼女の家」が現場である可能性が高いと言えます。

次点で「大親友の家」。これには大親友とツレに面識があること、飲み会の途中につまみを追加で作ろうとした点が前提となるでしょう。

大穴に「俺の家」。理由は第7項〈俺の家で作った場合〉で後述。


4. 家庭的なのはパスタではなく料理姿を指す

 「家庭的なのは料理をする姿ではなく作ったパスタの種類」への反論です。

なぜかネット界隈の考察では家庭的なパスタとしてミートソース、ナポリタン、カルボナーラなどが挙げられています。その中からツレが作ったのはどれでしょう?と。

家庭的なパスタを作る女がタイプってどう考えてもストライクゾーン狭すぎでしょう。ナポリやヴェネツィア出身の人だってそんなこと言いません。

パスタはこだわらなければ割と簡単な料理です。それを家庭的というぐらいには「俺」が料理をしないタイプであることが考えられます。

まぎらわしい言い方ですが家庭的なパスタを作る女がタイプなのではなく、料理をする家庭的な女がタイプなわけです。※そもそも後の歌詞に“家庭的な女がタイプの俺”とあります

そして、なぜ“おいしい料理”ではなく“おいしいパスタ”なのか?

いくつか作った料理のうちパスタが一番だったのでしょうか。たしかに男性は女性の手料理を食べる時、手の込んだ小洒落た料理よりも手早く作った中華を褒めがちです(そして怒られます)

複数あったのか、パスタだけだったのか分かりませんが、パスタは「手軽な」ものだった可能性が高いといえます。なぜなら

 俺は料理ができない

  ↓

 大親友、放っておくわけにもいかず俺と2人で談笑

  ↓

 女性陣2人で料理。すぐみんなで乾杯するなら買ってきたつまみ+手軽な料理しかできない。

 ※パスタを乾杯の前に作ったか、飲み会途中で俺のために作ったかは不明だがどちらにせよ簡単なものが求められる。

さあ、各々の家ですぐに作れるパスタは何なのでしょうか!

湘南乃風メンバー「若旦那さん」の現在(Twitterのアイコン画像より)
強面な印象がなくなり、なんかもう自分でおいしいパスタ作りそう。エスニックかましてくれそう

5. 大親友の彼女の家で作った場合

手軽といえども家庭的と評される程度には調理過程がなくてはいけません。

・ミートソース

ソフリットを作ったり、煮込むのに時間がかかるのでなし。家で食べる場合って大体レトルトだと思いますが、それだと「俺」でもできるため家庭的と言えない。

・ナポリタン

ミートソースと並んでおうちパスタ筆頭かもしれない。ただし、太麺、ソーセージ、ピーマン、マッシュルーム、玉ねぎと用意する食材が多いのでこれもなし。飲み会するぞ!買い出し行くぞ!メインはナポリタンだ!ってならんでしょ。それはもう夕飯の買い出しです。

・ペペロンチーノ

料理しない人のペペロンチーノはもはや油そばなので、おいしければ家庭的と言えるかもしれない。女性も食べるのであればニンニクたっぷりのパスタはなしか?

・カルボナーラ

日本ではおなじみの生クリームもイタリアだと入れない。最低チーズ、ベーコン、卵があればすぐに作れる。女性の家には必ず粉チーズがある(偏見)。

・アラビアータ

男は辛い料理が好き。ビールに合わせるならこれ。生のトマトでもミキサーにかければすぐに作れる。

(結論)アラビアータ◎、カルボナーラ○、ペペロンチーノ△


6. 大親友の家で作った場合

大親友の彼女が出入りする=彼女が調味料を持ち込んでいる 自宅にみりんある男は彼女います(小島調べ)

男の家にある食材+調味料でできる即席パスタと言えば

しょう油、バター、ごま油、マヨネーズ、ブラックペッパー、チューブのニンニク、粉チーズ、タバスコ、ラー油、コンソメ、中華だし、ごはんですよ、卵、ツナ缶、トマト缶、お吸い物、お茶漬けのもと……

そう、この場合特定が難しいのです。あえて言うなら創作パスタでしょうか。もしかしたら「大親友の彼女の家」でも即席創作パスタを作った可能性があります。事前準備なしにその場にあるもので作る姿は、料理上手で家庭的に見えますしね。


7. 俺の家で作った場合

女性は初対面の男の家に行かないだろうと序盤で述べたが、例外もあります。そのヒントがこの歌詞

“大貧民負けてマジ切れ それ見て笑って楽しいね”

“大”親友というぐらいなのでここで言う“マジ切れ”も誇張表現でしょう。しかし、本当に「俺」がマジ切れしていたのならば……

そう、彼らは賭け大富豪をしていたのである!!賭博に興じるアウトローな女ならば、初対面の男の家に上がり込んでもなんら不思議でない。〈6. 大親友の家で作った場合〉から調味料を減らせばいいので答えは簡単。

ツナ缶、ネギ、きのこ、お吸い物、マーガリン(男の家にバターはない)で作った和風パスタである!きっと「俺」は涙のしょっぱさとともに「○○万円の和風パスタ!」と嚙み締めたのかもしれない。

ただ後半の歌詞に“守りたい女って思った”とあるのでやはり清楚な女性である説が濃厚だろう。


8. 最後に

とりあえずミートソースとナポリタンは論外ということが分かりました。

パスタにときめいた純恋歌ですが個人的に男受けする料理と言えば、丼物、中華、揚げ物のガッツリ系三種の神器だと思います。

ただ、女の敵は女と言いますから同性相手にマウントをとるのであれば、「カレーはスパイスから作る」「本場四川なみの辛い麻婆豆腐作れる」と付加価値をつけた戦いをすればいいのではないでしょうか。お洒落なものならロールキャベツが妥協点かと。

その点パスタは男性受け女性受けどちらも狙った絶妙なラインなのかもしれません。湘南乃風…おそろしい子!

どうでもいいですが純恋歌の歌詞がうろ覚えで「大親友の彼女に一目ぼれ」という「いとしのレイラ」みたいな内容だと思っていましたよ。

目を閉じると億千の星が見えるんだなぁ…


コメント

  1. 私はしょうもないけど面白い考察だと感じた

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  2. 最高です😀大好きです😀

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  3. 「ハマスカ放送部」という番組で本人登場して、とうとう判明しましたね。ジャマイカで食べた「たらこのレトルトスパゲッティ」だそうで。

    久しぶりに食べられる和食テイストの味を、その時たまたまいたツレの女の子に作ってもらった忘れられない味。事実は妄想よりも素敵でしたね。

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  4. 趣深いですね…パスタの種類だけでもこんなに…!

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