pH計で検証!コーヒーの酸味は抽出でコントロールできるのか?
~はじめに・今日のテーマ~
コーヒーの味の大部分は、焙煎によってつくられる。
煎りが浅い場合は酸味が強く、深い場合は苦みが増えて酸味は消える。
では抽出によって酸味はコントロールできるのか?
豆の量、メッシュ、抽出時間、注ぐ湯温などを変え、pHメーターで計測してみよう!
~目次~
1. pHについて
2. 使用するコーヒー
3. 使用する器具
4. 抽出方法
5. 測定結果
6. まとめ
1. pHについて
pH(「ペーハー」、「ピーエッチ」)とは水溶液の性質(酸性、アルカリ性)を表す単位。
pH7を中性とし、これよりも数値が低いと酸性、高いとアルカリ性に分類される。
コーヒーは液体なら酸性である。ただし、体内に入るとアルカリ性に分解されるので栄養学的な分類では、アルカリ性となる。
ちなみにアルカリイオン水でコーヒーを抽出すると液体は中性にかたむくが、味がぼやけるのでオススメしない。
2. 使用するコーヒー
○浅煎り
コスタリカ ピエ・サン農園 ホワイトハニー ハイロースト(以下ピエサン)
→標高が高いため豆がかたい
エルサルバドル シャングリラ農園 ハイロースト(以下シャングリラ)
→標高が低くピエサンよりもソフトな豆質
○中煎り
グアテマラ エル・インヘルト農園 イエローナンセ シティロースト(以下ナンセ)
○深煎り
インドネシア ビートル フレンチロースト(以下ビートル)
→焙煎すると重量が軽くなり、豆の構造も弱い印象
3. 使用する器具
基本の抽出は
豆量/13g 、 メッシュ/ナイスカットG3.5番(中細挽き) 、 湯温/約90℃、
抽出量(出来上がった液体)160㏄ 、 抽出時間/2分10秒前後
で行う。これをベースに温度や豆の量など変えてpHの違いを見ます。
基本抽出の結果が
ピエサン pH4.73 / Brix1.26%
シャングリラ pH4.79 / Brix 1.33%
ナンセ pH5.13 / Brix1.55%
ビートル pH5.09 / Brix 1.57%
となりました。浅煎りが焙煎1日目のためか濃度はやや低めの印象。抽出時間を固定したのでしょうがないですが。
そしてなぜか深煎りであるビートルの方がナンセよりもpHが低い。
カフェテナンゴの他の深煎りはpHがもっと高いのでビートルだけが特殊なのかもしれない。
今日もう一度測定しようとしたら忘れてしまった‥‥。
5. 測定結果
pH ほ と ん ど 変 わ ら ず ‥‥ ! !
濃い液体の作り方
→「豆を増やす」「粉を細かくする」「湯温を高くする」「抽出時間をのばす」
うすい液体の作り方
→上記の反対
と色々試したが、つまり特筆すべき数値がなかったのです。
結局±pH0.05程度の誤差しかありませんでした。
ただ、やはり浅煎りの濃い液体は酸味を強く感じますし、反対にうすい液体は弱く感じます。
6. まとめ
・pHの大小とは酸味の大小ではない。「pH×濃度」でこそ酸味の感じ方は変わる。極端な話、pH2.0のレモンでも大量の水に溶かしてしまえばあまり酸っぱくないということだ。
・コーヒーの酸味成分は、どんな焙煎度でも速やかに水に溶ける。
・酸味の増減は抽出ではなく焙煎でコントロールすべき。その上で最もフレーバーを楽しめる濃度範囲を抽出で探る方がよい。
○試したいこと
焙煎から日が経った豆は酸っぱくなると聞くがpHは変わるのか?
自分の研究内容と近くとても参考になりました、ありがとうございます!!!
返信削除